ホースアセンブリを正しく使用しないと故障が発生する。表は、ホースアセンブリの取扱いを誤った場合の故障と原因の関係で、最も多発する例を示したものです。 なお、取扱いを誤った場合の故障でも、ホースアセンブリの一般の事故と同様に現象が複合して原因の究明が困難なことがあるので、 事故原因の判定にはホースアセンブリメーカとの協議が必要です。
正しく使われなかった場合の故障例
分類 | 主な現象 | 状況 | 原因 |
ホース補強層の破損 1 | 早期破裂 | 耐圧力不足で補強層が斜め又は大きく破断(ザクロ状) ③ | 使用圧に対して、ホース選択が不適 |
ホース補強層の破損 2 | 補強層の疲労 | 補強層が細かく破断 ③ | 使用圧に対して、ホース選択が不適 |
ホース補強層の破損 3 | 補強層の腐食破損 | 海水、工業水のため、補強層の著しい発錆で腐食破断 ④ | 耐浸透防護処置の不適 |
ホース潰れ1 | 外力変形 | 外力により潰され補強層破断 | 使用中の不注意 |
ホース潰れ2 | 折れ曲がり | 外力によって極端に曲げられて潰され、補強層破断 | 使用中の不注意 |
ホース潰れ3 | ねじれ | ねじれて取付けられたため、変形部が操返し加圧で破断 | 機器への取付け時不注意 |
ホースふくれ1 | ホース内管落ち | 高含水作動油使用による水蒸気又は配管内の残留空気がホース内部に透過し、内面ゴム層が剥離 ⑤ | ホース選択不適 |
ホースふくれ2 | 内面層削り取られ | 回路内でジェット噴流となり、ホース内面層の局部に集中し、内面層破損 | 締り弁位置とホース曲がり位置関係は配管不注意 |
ホースふくれ3 | ホースの硬化 | 特殊作動油により内面ゴム層の配合物が抽出されて、硬化し、クラック発生 | 流体に対するゴム質選択不適 |
ホースふくれ4 | ホースの硬化 | 流体温度の過昇により内面ゴム層にクラック発生 | 使用温度による選択不適 |
継手端部の漏れ、離脱1 | ホースの硬化外面層クラック | 外気温の過熱により外面ゴム層のクラック、及び外熱による内面ゴム層にクラック発生 | 使用温度による選択不適 |
継手端部の漏れ、離脱2 | 端部付近で外面ゴム切れ | 相手配管の変形により、継手端部での極端な曲げ | 使用中の不注意 |
継手端部の漏れ、離脱3 | 継手の首曲り又は抜けかがり | ねじれ取付け、又は他との干渉引張りによる異常変形 | 取付け不注意 |
継手端部の漏れ、離脱4 | 端部付近で、油噴出し | 低温下での使用により、外面ゴム層、外面ゴム層の低温脆性化によるクラック発生 | 使用温度による選択不適 |
注 ③:長時間稼働の場合は、ホース耐用命数の限度。
④:保護カバー又は、アセンブリ部シール処置。
⑤:高温と高含水の組合せで発生することが多い。
④:保護カバー又は、アセンブリ部シール処置。
⑤:高温と高含水の組合せで発生することが多い。