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取り付け

ホースアセンブリを機器、配管に取付ける際、下記の各項に注意することが必要です。

1:保管期間の確認

ホースアセンブリには使用に先立って、製造年月をたしかめ、製造後1年以上を経過したものは、原則として必要な検査、試験を行って安全を確認する。 また、保管の状況、使用の条件等によって異なるが、一般的には製造後2年以上経過したものは、使用しないことが望ましい。
 

2:長さの設定

ホースアセンブリの長さは、取付けたとき、余分に垂れ下がって、他の箇所と干渉したりしないようにする。 また、加圧時の伸縮を考慮して、ホースアセンブリに引張りその他の有害な荷重が加わったり、規定の最小曲げ半径より 小さく曲ったりしないように適正な長さにする。
 

2-1:直線で使用する場合

ホースアセンブリは、圧力を加えたとき、長さ変化を生ずるのでホースアセンブリに異状な張力がかからない ように、ホースアセンブリの長さは、使用直線距離にそのホースの長さ変化に応じた余裕をもたせる。
 
※L=(1+長さ変化率)×Y
L:ホースアセンブリの長さ
Y:使用直線距離
 

2-2:両端固定で曲げて使用する場合

ホースアセンブリの両端を固定して曲げて取付ける場合、U字形に曲げたホースアセンブリの両端平行部分の 中心距離は、規定の最小曲げ半径の2倍とホース外径の和より小さくなってはならない。また、L字形に曲げた ホースアセンブリは、出来るだけ直線部の長さを設け、継手の端部から急に曲らないようホースの外径寸法を加える この場合の必要なホースの自由長さは下記の通りです。
U字形に曲げられた場合
L字形に曲げられた場合
L=π(r+D/2)+2A
L=π/2(r+D/2)+2A+i
L :ホースの自由長さ
π:円周率
r :ホースの最小曲げ半径
D :ホースの最大外径
L :ホースの自由長さ
π:円周率
r :ホースの最小曲げ半径
D :ホースの最大外径
i :ホースの直線部の長さ
2-3:一端が移動する場合
 
U字形に曲げたホースアセンブリの一部が動程Tだけ移動する場合の必要なホースの自由長さ
 
L=π(r+D/2)+2A+T
L :ホースの自由長さ
π:円周率
r :ホースの最小曲げ半径
D :ホースの最大外径
T :動程
ホース
サイズ
6
9
12
15
19
25
32
38
50
-04
-06
-08
-10
-12
-16
-20
-24
-32
A㎜
30
40
40
60
70
80
100
120
140

3:繰返し曲げ

ホースアセンブリが繰返し曲げ運動を行う場合は、ホースの疲労度が大きくなり耐用命数が短くなるので、 規定の最小曲げ半径より大きい半径で曲げる必要があります。
 

4:ねじれ

ホースアセンブリがねじれた状態で繰り返し加圧されると、ねじれを吸収できないホースの継手端部付近や直線部分の補強層 に変形を生じ、ホース破裂や継手のねじがねじられてゆるんだりする原因となります。
ホースアセンブリを取付ける際、ねじれて取付かないよう、また機器の作動時にホースアセンブリにねじれが発生 しないよう注意しなければなりません。
 

4-1:継手のねじのタイプによるねじれ

両端に固定されたR(PT)ねじのような、ねじシールタイプの継手のついたホースアセンブリは、取付けにあたって ホースがねじれる場合があるので、継手の一端又は両端をユニオンナット付継手にした方がよい。
なお、取付けの際、ホースにプリントされたホースマークでねじれの有無をたしかめて取付けるとよい。
 

4-2:三次元に曲げたときのねじれ

ホースアセンブリを三次元にわたり曲げて使用すると、加圧時にねじれが生ずる。
特に移動するときは、ねじれが発生するので、付属金具等を用いて同一平面内で曲げるようにして、ホースアセンブリのねじれを防止する。
 

4-3:一端が移動する場合のねじれ

U字形に曲げて取付けられたホースアセンブリの一端が、ホースアセンブリの取付け平面と異なった面で移動するとねじれが発生する。
この場合は、ホースアセンブリを移動する機器、配管の運動方向に取付けてねじれを防止する。
 

4-4:異なった振動をする場合のねじれ

特殊な場合であるが、ホースアセンブリの両端の継手が各々異なった平面で振動するときは、ねじれなどにより早期破損を起こすので、 ホースを適当な位置でクランプして、ホースアセンブリを二つの部分に分け、各部がそれぞれの平面で運動するようにする。
 

5:配置

ホースアセンブリは、他の機器、配管などと干渉してホースや継手が摩耗したり損傷を受けたりしないように 注意して取付ける。また、組込み後も点検や補修が容易に行なえるように配置する。
 

6:保護

ホースアセンブリの取付けに際し、設計上その他の理由により止むなく前記の各項、又はホースアセンブリの規定を 超えて使用すると早期破損の原因になりますので、その原因を除くよう、次の対策、処置が必要です。
 

6-1:急激な曲りの場合

ホースアセンブリが継手の端部から急激に曲がる場合、又はホースの曲げ半径が、ホースアセンブリの規定された 最小曲げ半径より小さくなる場合には、付属金具を用いて取付け角度を変えるか、あるいは継手のアセンブリ部から ホースの曲がり部に保護スプリングを装着するなどして急激な曲がりを防がなければなりません。
なお、保護スプリングの継手とホースの端部に装着される部分は、隙間のないものがよい。
 

6-2:ねじれや急激な曲げの避けられない場合

6-1の対策でねじれや急激な曲げの場合には、スイベルジョイントを用いて、ホースアセンブリのねじれや 急激な曲げを防ぐようにする。
 

6-3:干渉のある場合

ホースアセンブリが止むなく他と干渉する場合は、樹脂カバー、外装ブレード、保護スプリングなどを装着して干渉による外傷を防ぐか、あるいはブラケット、クランプなどを用いホースアセンブリを固定して、干渉を避けるなど適正な干渉防止の対策が必要です。
※干渉のある場合の主要な例と対策を示したものです。

 

①ホースアセンブリを配管する場合の曲げ半径は、必ずホースに圧力が加わった時の位置で測定する。
圧力の上昇に伴ってホースが動くことがあるので、この変化をおさえるため、ホースの曲り部分を固定せず、外装ブレード・保護スプリングで保護する。

 

②鋭角なものにホースが当たらないようにする。
クランプを短い間隔で取付けることにより、ホースの接触を防ぐ。

 

③運動を行う器具にホースが当たらないようにする。

 

④ホース全体の不用な接触は避ける
ホースが互いにふれ合っていると、外傷を生じホース破裂の原因になるので、治具などを取付けて接触をさける。

7:ホースアセンブリの取付け

ホースアセンブリを機器、回路の点検補修などのため取り外した後、再び使用する際には、次のことに注意する。
 
①ホースの曲り避と反対側に曲げて再取付けすると、ゴム層にクラックが入ったりしてホースアセンブリの 耐用命数が急激に低下するので、同じ曲がり状態のまま取付ける。
②継手のねじ、シート面などの接触部は、エアー等で異物を除去し、清掃して再使用する。
 

8:ねじ継手の締付トルク

管用平行ねじ(G、旧PF)のついたユニオン継手及びユニオンアダプタのねじの締付トルクは下記の表による。
ねじは適正な締付トルクで締め付ければ使用時にゆるんだり、もれたりすることはない。流体がシール部からもれる場合は、 無理に締め付けず、シート面のごみ又は傷の有無を調べる。無理に締付けると継手の接触部を破損することがあります。
なお、ねじ継手の締付けはなるべくトルクレンチで確実に、適正な締付けトルク値で締付け、作業上止むを得ないときは JISに規定されたスパナを用いて締付け、モンキレンチなどは使用しない方が良い。
また、他のねじの締付トルクについてはアセンブリメーカとの協議が必要です。
 
 
表:Gねじの締付トルク
呼び
管用平行
ねじの呼び
締付トルク
N・m
適用圧力範囲
MPa
5・6
1/4
25
34.5
8・9
3/8
34
34.5
12
1/2
64
34.5
15・19
3/4
132
27.5
25
1
196
27.5
32
11/4
225
17.0
38
11/2
255
10.5
50
2
316
10.5
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